藍色工房ストーリー

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手作り石けんのきっかけ

ギター職人のおじいさんのお話で、考えた。

数年前のことです。新聞でとても気になる記事を見つけました。
スペインの老舗のギター工房で職人をしているおじいさんのお話でした。
「後を継ぎたいといってくれる若い人はたくさんいるけれど、工房を閉めるつもりでいる。材料となる良質の木が手に入らなくなってきたから、楽器が作れないのだ。」というお話しでした。

環境破壊のさまざまな影響が語られている中で、私が携わっている音楽の仕事にこれほどせまった話はその記事を読むまで耳にしておらず、ハッと目を覚ます思いがしました。
私が専門にしている楽器はピアノです。ギターよりもたくさんの木を使ってできる楽器です。
電子楽器では絶対に出せない美しい音色を持つ生の楽器やその演奏を大切に思うなら、小さなことからでも環境への取り組みをしていかなくてはならないと考えるようになりました。

また、クラシックの素敵な作品の中には「自然」を題材にしたものが多く存在しています。
作曲家たちのインスピレーションを掻き立てる程の美しい自然が、身近に溢れていたのだということが簡単に想像できます。

現代の演奏家の中で、作曲家が感じた自然の美しさへの思いを実感しながら演奏できている人がいったいどれほどいるのだろうかと考えたりします。
どこまで共感できているのだろうかと疑問に思ったりもします。

自分自身も含めて・・・。

実感のこもった演奏でなければ、聴いてくれている人にその曲の良さが伝わりにくいのではないか・・・だとしたら、クラシック音楽はこれからどんどん廃れていく一方になってしまうのではないか・・・。

ここまで考えてしまうと、現代の音楽家の仕事は、ただ音楽に携わっていれば良いというものでもないような気がしてきました。
人が「美しい」と感じる心や余裕を保ち続けるために、環境のことも含めて、わかり易く楽しく啓発することも、大切な活動なのではないかと思うようになりました。
ただ、何から取り組めばいいのかがなかなか掴めないまま、時間が過ぎていくばかりでした。

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出産のために里帰り。「藍」のすばらしさを再確認。

あやちゃんそれからしばらくして、結婚・出産という人生の大切な節目を迎えました。
出産を徳島の実家ですることに決めて、臨月に入ってからは久しぶりに両親との暮らしを楽しみました。夏の暑い盛りでした。

この時季、実家は貴重なことで知られている阿波藍という染料になる藍の葉の刈り取りで忙しくなります。
真夏の日差しをたっぷりと浴びて青々と育った藍の葉の刈り取りは、とてもハードな作業です。
藍があちらこちらに枝分かれしながら成長しているため、機械での刈り取りが難しく、一畝ずつ人の手で刈り取っていかなければなりません。
両親と、父の兄夫婦と、いとこ夫婦が明け方から畑に出て、1日中汗だくになりながら作業を続けます。
藍の葉刈り取った葉は、その日のうちに藍師さんが引き取りにきてくれます。染料のもととなる「すくも(藍玉)」にするために、すぐに加工しなければならないのです。

刈り取られて丸坊主になった藍は数週間のうちに新しい葉が出揃い、2番狩りのために、大きくなるまでまたしばらく育てられるのです。
とにかく物凄い生命力です。

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藍を手作り石けんに使ってみたら?母のひとことがはじまりでした。

その藍の生命力や、昔から伝えられている薬草としての力を、はまりつつあった手作り石けんに配合してみたらどうかと思いついたのは、母でした。
母は、合成界面活性剤がたっぷりと含まれた生活廃水が、周辺の畑につながっている用水路に流れていくのを嫌って、新鮮な植物油だけを使った浴用石けんを自宅で作るようになり、様々な植物油やハーブの組み合わせを楽しんでいたところでした。

石鹸づくり植物油を、苛性ソーダを溶かした水と混ぜて熟成させるというシンプルな作り方の石けんです。
使い心地はつるつると気持ちよく、溶け崩れが速いのも、天然の保湿成分がたっぷりと残っているからこそと思えば気になりませんでした。
実家では、母の手作り石けんが大活躍。
合成界面活性剤がたっぷりと配合された洗剤のボトルが姿を消し、家の中が少しだけすっきりとした感じがしました。

この石けんの中に藍の効果が加わったら、きっと素晴らしいものができるに違いない。
家族中が期待に沸きました。
どのような形で藍を石けんに配合するのか、母と私の試行錯誤が始まりました。
藍の葉をジュースにしてみたり、油で揚げてみたり・・・。
完成した藍入りの石けんは、美しい藍色が再現できていて、使い心地もバッチリ。
もちろん、色移りもしません。無香料で作ると、藍の独特の香りがします。

また、天然の色素だけでこれだけ鮮やかな「青」を石けんで表現できるのも、藍ならでは。
今までは「ウルトラマリン」等の鉱物由来の染料でしかこの色が楽しめなかったのです。

それから、色々と調べて試しているうちに分かってきた大切なことがあります。
ハーブや漢方のように特別に薬効が知られているものでなくても、からだや心に働きかけてくれる素晴らしい力を持った植物が、周りに溢れているのだということが実感できるようになったことです。

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我が家の手作り石けん生活

手作り石けんを使い始めたのは…

子ども小さな娘が生まれたばかりで、産院から退院してきてすぐの頃。
少しだけ、「アトピーかな・・・?」と思われる炎症が、ひじやひざの後ろに出ていました。

できるだけやさしく洗ってあげようと、沐浴剤を入れてやさしくガーゼで拭いてあげていましたが、炎症はだんだんとひどくなっていきました。
かさかさと粉をふき、肌の色が赤みを増していかにも痛々しいのです。

そこで、決断その1。
沐浴剤をやめました。 炎症を起こしていた部分がしっとりしはじめ、赤みが引いてきました。
やれやれ一安心。
しばらくの間はお湯だけで、軽くガーゼで拭いてあげていました。

ところが汗をかく夏ごろになると、炎症が再発。
汗で雑菌が繁殖して、かぶれているようでした。

ここで決断その2。
できるだけ清潔にしてあげなくてはいけないと思い、マイルドな石けんを特別ブレンドで仕込み、使ってみることにしました。
大丈夫かな、石けんが刺激にならないかなと、少し不安でした。
娘は特に嫌がる様子でもなく、お風呂を楽しんでいました。

そして一週間後、炎症が見事に消えました。
跡形もなくなったのです♪ すべすべと白くてきれいな赤ちゃん肌になりました。

市販の、合成界面活性剤がたくさん配合されている「赤ちゃん用」と銘打たれた石けんや沐浴剤は、汚れだけでなく皮脂まで過剰に洗い流してしまい、赤ちゃんの皮膚バリアー機能を低下させるだけのものだと改めて知りました。

手作り石けんに豊富に含まれているグリセリンの力で肌を清潔に洗い流し保湿もできるということが、家族全員にとって優しいことと分かって、ホッとしました。
(ちなみに、市販の石けんに「グリセリン配合」と書かれているものがありますが、これは自然に含まれているグリセリンを一旦抜き取ったあとに、少量のグリセリンを再度保湿の目的として配合しているもので、手作り石けんとはその含有量に大きな差があります。)

弱酸性にこだわる宣伝もよく見かけますが、私はどちらかというと「弱アルカリ派」。
だって、汗やホコリなどの汚れは酸性ですから中和して洗い流そうと思ったらアルカリ性のものが一番効果的です。
手作り石けん程度の弱アルカリ性なら、肌のpHバランスを極端に傾けることなく効果的に汚れを洗い流してくれますし、どうしても弱酸性にこだわりたいのなら、最後にクエン酸をお湯で薄めたリンスを全身にかぶって洗い流せば大丈夫。

子どもそういえば、おむつかぶれを起こしていた娘のお尻を、重曹を少し溶かした弱アルカリ性のぬるま湯で洗ってあげると、すぐに治りました。
排泄物や汗で酸性に傾きすぎて炎症を起こしていたお肌が、弱アルカリで中和されてお肌のpHバランスが整い、自然にお肌そのものが元気になるようです♪

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手作り石けんで人と地球の健やかな営みを

子ども娘の敏感な肌に優しく働きかけてくれた手作り石けんは、我が家の家族にとって手離せないものとなりました。
私には、長年悩み続けた背中のニキビや炎症、顔の赤みが引いて肌にかかるストレスが一気に減ることになるすばらしいツールとなりました。

私の場合、特にシャンプーやリンスに含まれる合成界面活性剤などの肌に深く浸透して長く残ってしまう成分が問題になっていたようです。
とにかく、にきびが消えずに炎症を起こして赤くはれ上がったりしてつらかったです。
冬になると乾燥してかゆみまで引き起こしていたし…。

手作りの石けんには、ベースになっている植物油を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で反応させてできる、天然の界面活性剤(つまりそれこそが、石けんです)しか存在せず、皮膚の中まで浸透して残留するということはまずありません。
皮膚バリアを破壊することなく汚れだけを効果的に洗い流してくれるので、皮膚の機能が正常に働き、自然と肌そのものが元気になっていくのが分かりました。
これは、石けん教室に参加してコールドプロセス製法でマルセイユ石けんを仕込んだ方が話してくださったことなのですが、食器洗いを合成洗剤からこの石けんに変えたところ、手のひび割れが消え、乾燥する冬がやってきてもハンドクリームなど必要がないくらいに肌が元気になったということです。
肌そのものの黒ずみまで明るくなって、透明感のある肌色になったと喜ばれておられました。

子ども毎日使うものだから、少しずつ良いことをするのと少しずつ悪いことをするのとでは、いずれ大きな差が出ます。
小さな娘の健康のこと、夫や私が長年悩み続けた肌のトラブル、石けん教室に参加された方の後日談、どれをとっても如実に現れている「手作り石けん生活」の気持ち良さ。
安心なものを気持ちよく使うことで気持ちが軽くなるので、それだけでも体にとってよい働きとなっていることも外せないポイントだと思っています。

娘はお風呂に入ると、「せっけん、コシコシ♪」と楽しそうに体を洗います。
楽しく気持ちよく、安心なものを使って生活する。
ストイックに、ましてやアカデミックに環境問題を追及したりしなくても、本当に気持ちのいいものを選んでいけば、みんなに優しい生活が実現する。
(もちろんその気持ちよさにはきちんとした裏づけが必要ですが。)

人と地球の健やかな営みを、手作り石けんで生活することで実感してくださる人が少しでも増えたら嬉しいな♪

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藍色工房の手作り石けん

藍染石けん(化粧石けん)

吉田農園で栽培した元気イッパイの藍から成分を抽出して、手作り石けんに配合しました。
藍には、殺菌・消毒に加え、炎症を抑えたりアレルギーを緩和させたりする働きが期待されています。

混合肌の方に 乾燥肌の方に 脂性肌の方に
ふたえ
ふたえ
紙ふぶき
紙ふぶき
いちまつ
いちまつ

和三盆石けん(化粧石けん)

和三盆糖の優しい使用感を引き立たせるために、贅沢な植物油のブレンドで仕込み、無香料で仕上げました。シンプルでリッチな使い心地をお楽しみください。

ふわり
ふわり
さらり
さらり
ゆるり
ゆるり

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