徳島県の山里に、上勝町(かみかつちょう)というのどかなところがあります。 剣山から流れてくる清流が町の中をよこぎっている、自然豊かな町です。 この土地に古くから伝えられているお茶が阿波晩茶の最高級品とされる「神田茶」(じでんちゃ)です。 その製法は弘法大師伝来と伝えられているほど古く、現在では世界でも大変珍しいものとなっています。 道具も昔ながらの木の桶(地元の杉で作られています)などが使用され、機械化されていない本当の手作りのお茶なのです。
「神田茶」は、この上勝町の神田地区(じでんちく)と呼ばれる地域に自生している茶葉だけを使用しています。 この地域特有の赤土と鮎が泳ぐ清流の水とですくすくと育った野生のお茶の木で、化学的な肥料や消毒を一切施さないため、木も土も常に清浄に保たれています。 お茶の味と香りそのものが自然な形で楽しむことができるのです。
「神田茶」の収穫は、一般の新茶を摘む八十八夜よりおよそ1ヵ月半遅く、夏至を過ぎてからなのです。日の光を存分に浴びて、葉に栄養分をたっぷりと溜め込みます。 また、湯がいて醗酵させた後に必ず天日で3日間干します。 ビニールハウスや乾燥機ではこの独特の風味や香りが再現されないため、「神田茶」の生産農家さんがこだわっているところなのです。
「神田茶」の製法の大きな特徴に、湯がいて醗酵させるという過程があります。 木の桶に漬け込んで芭蕉の葉で蓋をし、自然に発生する乳酸菌で葉を漬け込むのです。 元気な乳酸菌が生育できるよう、漬け込む桶は昔ながらの杉の木の桶です。 地元の杉の木を使った、桶職人さん自慢の昔ながらの桶を使うことにも、「神田茶」生産農家さんのこだわりがうかがえます。
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